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【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第8章 メモリー





「…そう。あのマデイラって子、研究に関係あるの?」



「ごめんなさい、あの子のことは無闇に話せないのよ…

でもあの子生まれた時からずっと研究所にいるみたいで。

明美と同じくらいの歳だからどうしても気になっちゃうの」



「…気をつけなさいよ。烏丸グループの噂は

内部にいるあなたが一番よく分かっているでしょう…」



エレーナは困ったような笑顔でこう言った。



「心配性ね。大丈夫よ、私には守るものがあるから」

















「マデイラちゃん、次は何乗る?」

「えっとね…」


少し遅い昼食をとりながら

秀吉がアトラクションの載ったリーフレットを

マデイラに見せる。



「秀吉、マデイラは俺が見ておくから

自分の乗りたいものに乗ってきて良いんだぞ」



先ほどから秀吉はマデイラの身長でも乗れる乗り物にしか

乗っていなかった。

ジェットコースターのような身長制限のあるものを

我慢していると思ったからだ。



「ううん、僕マデイラちゃんと一緒にいたいから良いんだ。

妹が産まれたらこんな感じなのかな

きっとすっごく可愛いだろうな」



俺なんかより秀吉の方がよっぽど兄らしい、と

その言葉を聞いて思った。



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