• テキストサイズ

【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第1章 点と点




そよ香の住むマンション周辺は

盛んに土地開発がなされ、

空き家は潰され更地になり、買い手を待つ空き地が点在していた。


そのためかまだこの通りは街灯がなく、

暗くなると近所の住人でもここを通る人はほとんどいないが、

そういう場所にはいわゆる“悪い人” が集まりやすい。


車の中から空き地をみると

どう見ても未成年であろう少年たちが

タバコを吸いながらたむろしている。


安室たちの乗る車がその空き地を

通り過ぎようとしたその瞬間、

吸い殻や石を投げつけ、大声で威嚇してきた。




「そよ香さんこの道は危険ですから

一人で通ることは絶対にしないでくださいね」



「はい…あ、安室さんこの辺で良いですよ」



「いえ、エントランス前まで行きます」





コンビニでスイーツを買ってもらい、

ちょっと雰囲気も戻ったかな?と思ったのも束の間

また安室は押し黙って眉間にシワを寄せている。


いつもなら他愛ない話を安室から振ってくれて

楽しい帰り道なのだが。



(今日はあんまり喋らない方がいい気がする…)



そんなことを考えている間に

車はエントランス前に到着していた。



/ 272ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp