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【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第8章 メモリー




「どういうことだ、秀吉…

マデイラのことを知っているのか」


『どういうことも何も…

兄さんと僕とマデイラちゃんと昔3人で一緒に遊んだこと

忘れちゃったの??』



弟は信じられない…というような声を出すが

全く覚えていない。

たしかに今のそよ香を見て時々既視感のような

そんなものを感じたことはあったが…



「秀吉、時間大丈夫か。その話、詳しく聞かせろ…」


『良いけど…

あれは僕たちが日本にきてすぐの頃だったから、

17年くらい前かな?』















5月上旬の大型連休、

兄弟は母親に連れられて浅草にやってきた。




「あっ!メアリー姉さん!こっちよ!」


「エレーナ!久しぶりね!」



数年ぶりに再会した姉妹は両手を握り合って喜んでいる。



「わぁ、秀一君大きくなったわね。

私のこと、覚えてる?

秀吉君はまだ赤ちゃんだったから、覚えてないかな?」


「俺は覚えているよ、エレーナさん…」


「僕も覚えてるよ!抱っこしてくれたこと…」



2人の小さな紳士はエレーナとハグをして

頬に軽くキスをする。



「ところで、エレーナ。その子…」



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