【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第8章 メモリー
ここの所、沖矢は忙しそうにしていて
夕食を食べ終えて少しすると大抵書斎か
自室にこもって出てこない。
沖矢の兄であるヒデカズという男の話題も
出ることは一切なかった。
安室に連絡をしてみるも、1週間近く返事がなく
ポアロにも出勤していないと梓が言っていた。
(…このまま、何も起こらなければ良いのに)
あれからジンが接触してくることはなかった。
もう2ヶ月ほどが経とうとしていて
逆に気味が悪い。
覚悟はできている。
自分の運命を知ったその日から。
終わらせるのならば、この手で…
そよ香はテレビを消すとシャワールームに向かった。