【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第8章 メモリー
そしてもう1つは『血液の情報』
マデイラの血液型はA,B,O,ABどれにも当てはまらない。
Rhプラスやマイナスの概念もないので
病気やケガなどで大量出血をしたら最後、
輸血ができないため死を待つしかない。
しかし、どの種類の抗原も持たないマデイラの血液は
血液型関係なく誰にでも輸血をすることができ…
「”Golden Blood(黄金の血液)”と呼ばれている。
そして、その血液の成分にはもう一つの特徴が――…」
「…もういいわ。
そこまで調べておいて、アレの居場所を突き止めていないなんて
言わないわよね?」
「もちろん…せっかくなので、教えていただけませんか…
”Golden Blood”の使い道を…
もしかして、何年も衰えない、貴女のその美貌と…
何か、関係が、あるのでは…ッ、はぁ…ッ」
ベルモットに撃たれた太もも付近には
赤黒い血だまりができている。
脈拍は速くなり、呼吸も浅くなってきた。
「さぁ、どうかしら?
で、アレの居場所は?」
「…彼女なら、工藤邸に…いますよ…ッ」
バーボンの返事に満足したのか、
ベルモットは拳銃をしまい
彼を助けるわけでもなくそのまま立ち去って行った