【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第7章 パフォーマンス
「…お兄さん、もしかして…
緋色の捜査官、ですか?」
麦茶を飲みながら、そよ香が赤井に話しかける。
そよ香の問いは間違いではないのだが
なんと答えたら良いのか、赤井は黙ってしまった。
「だって、黒いニット帽に黒シャツ、黒のライダースジャケットって…
今日マカデミ―賞を受賞した
工藤先生の緋色の捜査官みたいじゃないですか!」
「…ん?あぁ、まぁ俺もあの映画は好きでね」
「やっぱり!すごく似合ってますね!」
「そうか…ありがとう」
沖矢昴と顔も声も性格も全く違う赤井秀一が
同一人物であるとは
そよ香には気づかれないだろうと思ったコナンは
2人をキッチンに残し阿笠邸へと帰っていった。
「それにしても、沖矢さ…昴さんにお兄さんがいるなんて
知りませんでした。
家族はいないって、前に言ってたので…」
「まぁ、あいつは18で家をでたきり
何の連絡も寄こさなかったからな。
フン、あいつらしいな。薄情者だ…」
赤井は適当に昴の生い立ちをでっちあげる。