【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第7章 パフォーマンス
「…!?あ、あなた…!」
(赤井さん!何で隠れてねーんだよ!!)
赤井は換気扇の下で右手をポケットに入れたまま
タバコを吸っている。
目つきの悪い、黒づくめの男が突然現れて
そよ香は一瞬心臓が止まる思いをした。
「そよ香さん、この人は…」
「コナン君!そっち行っちゃダメっ!!」
今度はそよ香がコナンの腕を引っ張り
ぎゅっと抱きしめる。
「ひ、人の家で何してるんですかっ…
警察を呼びますよ…!!」
今この子を守れるのは自分しかいない
そよ香は自分に言い聞かせ
男を威嚇して見せる。
「そよ香さん…っ」
もぞもぞとコナンは腕から抜けようとするが
そよ香の力が思ったより強く、
身動きが取れない。
赤井は吸い終わったタバコを灰皿に押し付けると
ふぅーっと長く息を吐いた。
「昴と一緒に住んでいるというお嬢さんは、君かな?」
「えっ…?」
急に聞きなれた名前が男の口からこぼれ
そよ香は目を丸くする。