【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第7章 パフォーマンス
「その映画観たよ!主人公のFBI捜査官、めっちゃかっこよかった!
黒いニット帽に、黒シャツ、黒のライダースジャケット…
凄く似合ってた~!
私、あの死体すり替えトリックのところ観ててドキドキしちゃったよ!」
「そうですよね~!!私もあのシーン好きです!」
小五郎の存在も忘れて、二人はキャーキャー盛り上がっている。
「メシくらい静かに食えっ」
ったく、女は一人でもうるせーってのに…
ぶつくさ文句を言いながら
小五郎は再び缶ビールに手を伸ばした。
*
*
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「来葉峠…赤井さんが殺されたあの場所に?」
「えぇ、何か引っかかるのよ…」
全く明かりのない、
普通車がすれ違うのにも苦労するような細い山道を
自動車のライトだけを頼りに登っていく。
ガードレールの向こう側は断崖絶壁。
まるで地獄の入り口のような暗闇が広がっていた。
(楠田が頭を打ちぬいて拳銃自殺をしたことが
奴らに知られた時のコナン君のあの表情…
絶対に何かあるわ…)
ジョディは赤井の死に疑問を抱き、
キャメルの運転で来葉峠を目指していた。