【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第7章 パフォーマンス
そよ香は料理に使ったボウルやフライパンを
手早く片付けていく。
蘭はその間に盛り付けをしていた。
「お父さん、ご飯できたから机の上片づけて
…ってもうそんなに飲んで!」
少し目を離したすきに
そよ香が来た時より2つ空き缶が増えていた。
洗い物を終えてテーブルを片付けに行くと
小五郎はすでに出来上がっている。
「そよ香ちゃん、わりぃな~」
「もう、本当に恥ずかしい…そよ香さん、すみません…」
「良いの良いの!…あ、マカデミ―賞授賞式始まるみたいだよ!」
蘭が食事を運んでくると、
テレビの中で派手な音楽とともに
司会者が舞台の中央に登場する。
「Welcome everyone!…」
司会者が開会の挨拶をすると、
昨年のマカデミ―賞受賞者
ジョニービップが壇上に上がる。
「そういえば、新一君のお父さんがノミネートされてるんだよね?」
「そうなんです!緋色の捜査官っていう映画の脚本を書いて…」
蘭は目を輝かせて語った。
心なしか頬も薄紅色に染まっていて、とても嬉しそうだ。