【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第7章 パフォーマンス
「それじゃぁ赤井君、
改めて今日の作戦を聞こうじゃないか」
足を組んで真っすぐに赤井を見つめる優作は、
まるで新しいゲームを見つけた子どものような目をしている。
「分かりました。そのまえに一つ…」
「何かな?」
「今回は急な要請だったにもかかわらず、
こうしてご協力いただけること、感謝します」
赤井は2人に深々と頭を下げた後、続けた。
「あなた方がこうして協力してくださる理由…
おおよそ察しはついていますが、
あえてここでは言わないでおきましょう…
しかし、いずれ私が生きていることが奴らにバレるのも時間の問題。
その時は…」
「赤井君、」
みなまで言うなと優作は赤井の言葉を遮る。
先ほどとは打って変わって
真実だけを見つめるアイアンブルーの瞳は
ボウヤにそっくりだ、と赤井は思った。
「私はね、”君たち”からチェックメイトのコールが
聞きたいんだよ。
そのためなら協力は惜しまない。
それに、事実は小説より奇なりというじゃないか」
「そうよ。それに私たちには小さなナイトもいるんだから♡」
有希子からは軽やかな笑い声さえ聞こえる。