【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第7章 パフォーマンス
「じゃぁボクそろそろ帰るね!
またね、そよ香さん、昴さん」
「蘭ちゃんによろしくね」
「気をつけて帰るんだよ」
コナンは玄関を出る間際に沖矢とアイコンタクトをとると、
蘭に頼まれたというチョコレートの入った紙袋をさげて
帰っていった。
パタン、と玄関のドアが閉まり
沖矢とまた2人きりになってしまったことに
そよ香は居心地の悪さを感じる。
「…!」
振り返ってリビングへ戻ろうとする前に
後ろから沖矢の大きな手が回ってきた。
「な、なんですか?」
「せっかく2人きりになったので、
昨日の続きでもどうかと思いまして…」
右腕で後ろから抱きしめられ、
左手はそよ香の太ももをいやらしく触る。
「やっ…やめてください!
沖矢さん、変ですよ…」
耳まで真っ赤に染まったそよ香のセリフは
まるで説得力がなかった。
「おっと、失礼。
軽々しく女性に触ったらまた怒られてしまいますね。
あなたと僕はどんな関係でもないんですから…」
沖矢はそよ香からパッと手を離す。