【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第6章 一歩先*
「失礼します」
そう言うと沖矢は軽々と
そよ香を抱き上げる。
今日は腕の中で大人しいままだ。
そよ香の使っているゲストルームまで運び、
ベッドにおろすと、沖矢は部屋の鍵をかけた。
「沖矢さ…?」
何かを察知したのかそよ香が声を出す。
トン、と肩を押されてそのままベッドに倒れこむ。
目を開けると沖矢に押し倒されていた。
「あ…あの?」
そよ香は眉を八の字にひそめ、
自然と上目遣いになる。
「そんな顔をされると困りますね…」
「…!」
沖矢はそよ香の撫子色に染まる唇に
自分の唇を重ねた。
ついばむようなキスを3回繰り返すと、
今度は角度を変えて貪るように荒いキスをする。
「んっ…んん…!」
抵抗しようとそよ香は沖矢の胸を強く押すが
寝起きの身体では力が入らない。
そのうち脇腹のあたりから沖矢の大きな手が入ってきて
背中の素肌を這う。
「…んっ!」
ぞわっとした感覚で腰が震え、おかしな声が出てしまった。