• テキストサイズ

【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第6章 一歩先*




ソファに倒れるようにして眠ってしまったそよ香に声をかける。

辛くない体勢に動かしてやると、

安室は自分の額をそよ香の額に優しくつける。


「…すまない」



心から詫びの言葉をこぼすとリビングを後にした。



書斎や寝室、いくつかあるゲストルームに

安室は盗聴器をつけて回った。

ある部屋を開けた時、そよ香の使っているところだと分かり

申し訳ないと思いながらも1つだけサイドテーブルの裏に

それを取り付ける。



(いよいよだな、赤井秀一

ぐうの音も出ないほどにお前を追い詰めてやる)




腕時計を確認するとリビングを出てから

30分は経ってしまっていた。



「おっと…そろそろ引き上げるか」



もう一度リビングに戻ると

スヤスヤとそよ香は寝息を立てている。


顔に落ちた髪をすくい、耳にかけると

黒く長いまつげが現れた。


このままさらってしまおうか、

そんな考えが浮かんでは消えていく。



「…君を守って見せる」



そよ香の薄桃色の頬にキスをすると

安室は静かに工藤邸を立ち去った。



/ 272ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp