• テキストサイズ

【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第6章 一歩先*




(…今のうちに)


安室は持参してきた盗聴器をいくつか

リビングに設置した。


(まぁ、すぐにバレるとは思うが…)


赤井秀一を追い詰める最後のピースは揃っていたが

念には念を入れて少しでも情報が欲しかった。

そんなに簡単にボロは出さない奴だと

分かってはいるのだが。



「お待たせしました」

「ありがとうございます」



ストロベリーのいい香りが鼻孔をくすぐる。



「安室さんならチョコケーキを持ってきてくれると思って

ストロベリーティーにしました」


「さすがそよ香さん、当たりです」



ケーキをつつきながら二人は他愛のない会話を続けた。

安室は沖矢と違っておしゃべり好きだ。

次から次へところころ話題が変わるが、

話は尽きることがない。

話すのも上手いし、相手から聞き出すのも上手い。

しばらくするとそよ香からの返事が

途切れ途切れになっていった。



「…そよ香さん、そよ香さん」




/ 272ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp