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【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第6章 一歩先*





「何か取ってきましょうか?

沖矢さんも、チョコ好きですよね?」


「いや、特別好きというわけでは…」


「…え??」



沖矢の返事に、そよ香の頭は混乱した。

てっきり沖矢もチョコが好きだから

毎週こうして二人でチョコ巡りをしているのだとばかり思っていた。


思い返してみれば、カフェで注文するとき

ドリンクもスイーツも2つずつ注文はするものの、

結局沖矢はいつもそよ香に

自分のスイーツを半分あげるのだ。




「僕がどうして毎週あなたを連れ出していたのか

分かっていなかったようですね」



新聞から目を離し、

そよ香を見つめるまなざしは柔らかい




「そよ香さんの笑顔を

そばで見ていたいからですよ」





それだけ言うと

沖矢はコーヒーに口をつけ、

また新聞に目を通す。


飾り気のない、まっすぐな沖矢の言葉に

そよ香は胸が高鳴るのを感じずにはいられなかった。




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