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【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第6章 一歩先*





そよ香は一度目を閉じ、深呼吸を繰り返した。



(大丈夫、私には沖矢さんが…)



自然と沖矢のことを思い出し、

頼りにしてしまっていることに危機感を覚えながらも

そよ香はメールボックスに溜まったメールに

目を通すことから始めた。















「お疲れさまでした」


久しぶりの仕事を終えると

疲労感が押し寄せる。

溜まりにたまったメールや書類を片付けるだけで

1日が終わってしまった。


事務所が入るビルを出ると、

真正面にひときわ目立つ真っ赤な車が停まっている。




「お疲れ様です」


「お、沖矢さん!?」



黒のハイネックに、グレーのジャケットを合わせ

車に寄りかかりながらそよ香を笑顔で出迎えた。

右手はズボンのポケットに入れたまま、

左手をひらひらと振る。



「えっなに!?春野さん彼氏いたの!?

超イケメン!!」



一緒にビルから出てきた先輩が

思ったことをそのまま口にする。




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