【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第1章 点と点
チョコレートパフェをつつきながら
そよ香は街を行き交う人々を眺める。
(あの人の着てるトレンチコート形が良いな)
(あの人のしてるストール可愛い!)
(あーあ、土曜日は春服買いに行きたかったのに)
「そよ香さん、そろそろじゃないですか?
毛利先生から折り返し電話があるかもしれませんよ」
安室にそう言われ、スマホを手に取る。
時間を確認するためだ。
「あれ…」
「どうされました?」
「電池切れてる!!安室さん、充電器持ってません!?」
「ありますよ、少しお待ちください」
なんか今日はスマホに振り回されてばっかだな…
そんなことを思っていると
窓の向こうに蘭とコナンの姿が見えた。
「あっ!安室さん!蘭ちゃん帰ってきた!
スマホ置いてくんで充電お願いします!
後で取りに戻りますから!それと、ご馳走様!!」
ドタバタとコメディアニメのような焦りようで
そよ香は蘭たちを追いかける。
安室はやれやれという表情を見せると
そよ香のスマホに充電器をさした。