【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第5章 君のため
「ナーイスキャッチ!!」
間の抜けた萩原の声が聞こえ
身体が弾む。
「即席トランポリンの乗り心地はどう?」
キャンプ用のタープの端を持ち、
松田と萩原が広がって僕たちを待ち構えていた。
「おい!もういいだろう!」
「なんだゼロ、ビビってんのか!?」
彼女を抱きかかえながら
あっちへこっちへと転がる。
「お~い!諸伏も来いよ!!」
松田が呼びかけると屋上からヒロが顔を出す。
「えっ!?オレも!?」
「早く来いって!!」
即席トランポリンから降り、
彼女を立たせる。
「大丈夫か?」
「…うん」
「ほらほら、降谷ちゃんもそこのカワイ子ちゃんも
端っこ持ってよ!」
萩原に促されるまま、僕たちもタープを掴む。
「ヒロ―!いつでもいいぞー!」
僕が声をかけるとヒロの雄たけびが聞こえてきた。
「うぉぉおおぉぉ!!!」