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【忍たま】男性恐怖症なくのたまと【R18】

第2章 鉢屋三郎


鉢屋side



先日、学園長に呼ばれ庵へ行くとくのたま教室の椎堂の男嫌いを治してほしいと言われた

椎堂といえば、くのたま唯一の上級生で優秀な生徒だと聞いている。しかし、5年間この学園で過ごしているが彼女を見た事はない。他の皆もそうらしく、彼女を探すため学園で張り込みを行っていれば見知らぬ生徒を見かけ追いかけると私の気配を察知したのか、あらゆる手を使って私を撒こうとする彼女

逃げ足の速さも勘の良さもいい…

それでも私とて5年間ここで過ごしてきたのだ。そう簡単に逃げられてたまるかと追い続ければ、曲者と勘違いしたのか、足を止め、懐から手裏剣を出そうとしてきた為、姿を現せば体を震わせ今にも泣きそうだった

追いかけていたのはやはり椎堂で間違いないようで話してみれば、怖がりながらもきちんと話はしてくれるし、苦手になった理由が綾部やお父上のせいらしい。あいつ…だからあれほど私に敵対心を向けてきたのか…

しかし、男嫌いを治すためだと思い色々と提案をすれば簡単に承諾し、いざ外に出て山へ来てもすべて私に任せるかのように、2つ返事しかしない

こちらの案ものんでもらうとは言ったものの、全てのんで私の言われ通りにする彼女に少し心配する

最初は手から始まったものの、怖がりながらも何でも言うことを聞く彼女に呆れながらも同時に不安にもなる

「(警戒心があまりないというか何というか…勘右衛門や立花先輩の時は大丈夫だろうか…)」

四年生とは多少関わりがあるようだし、そこまで心配する事はないが、やはり同級生と先輩の事を思えば彼女は少し不憫な気がする

元より男嫌いがあるのにも関わらず我々、5、6年生と関わり男嫌いを治させようとするこの学園長の思いつきは彼女にとって地獄でしかないだろう

「(少し震えてはいるが、手を握る事はできた。さて、次は何をしようか…)」

最初は面倒だったのに、少し楽しんでしまっている自分を嘲笑しながらも彼女を見つめる

「(愛らしい娘だ。綾部がこの娘を守ろうとする理由が少し分かったかもしれない)」
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