第3章 七松小平太
『ふぁぁ…ふ…』
次の日、昨日はあまり寝られず少し眠い…が、今日は七松先輩がお相手の日…何があるかわからないので気を引き締めてしまう。私の命がなくなるかもしれないし…
『……?』
食堂から出て、少し散歩がてらに周りを歩いていれば、地響きのような音が聞こえその場にしゃがみ地に耳を当てる…
なんの音…?地震…ではなさそうだけど…
「いけいけどんどーん!!!」
『ひっ…!?』
目の前で学園内でよく聞く台詞と共に下からど派手な登場をする七松先輩に腰を抜かしてしまう。
「む、お前が椎堂か!」
上空から私を視界に入れたのか、日差しに照らされながら笑顔を向けてくるが、彼は私のほぼ真上にいたため、着地と共に体を押し倒される
『ひっ、はっ…はァッ……』
地面に手首を固定され、馬乗りされている状態に呼吸が困難になる。近い近い近い怖いしもう無理、死ぬ、シナ先生助けて……心臓が破裂しそうです…
『ど、どいて、くださっ…』
「む、すまんな!男が苦手なんだっけ…ふむ」
『(ど、どいてっていってるのに…!!)』
パッと拘束された手ははなされたけど、馬乗りの状態はそのままで彼は腕を組み片方の手を顎に当てて何か考えこんでいる。考える前にどいてほしい…
「んー…私はあまり女性の扱いはわからんのでな…どうしたらいい?」
『とりあえず、あの、どいてください…』
もう泣きそうだ、怖い、怖すぎる…昨日の鉢屋先輩もそうだけど…男の人ってやっぱりこわい…
「あぁ、すまんな!!」
『(やっとどいてくれた…忍たまってこういう人多いのかな…だったら嫌だなぁ…)』
滝の先輩っぽいといえば、ぽいかもしれない…自由でマイペース、というか、自分のことが先、というか…周りを置いてけぼりにしていく感じがすごく、似てる気がする…?
「改めて七松小平太だ!」
『存じております……椎堂といい、ます…』
太陽のように眩しいお人だ…。直射日光に当てられてる気分になるなぁ…