第8章 7
気がつくとスマホの目覚ましがなっていた。
記憶にないくらいすぐに寝てしまったようだ。
朝ごはんのいい匂いがして自然と部屋から出てダイニングに行く。
いつも通りの朝だと思い
「おはよう」
と父に話しかけた
だがそこにいたのは父では無かった。
見知らぬ男がいた。
訳がわからなくなり悩んでいるとだんだん昨日の事を思い出してきた。
そうだ
父さんは昨日から海外に行ったんだった。
ここに居るのは人殺しさん!
「…おはようございます」
思い出したので改めて言ってみる。挨拶をしたは良いがどんどんと昨日自分が言ったことを思い出してきて恥ずかしくなってくる
だけど
それよりも、私が気になるのはこの鼻孔をくすぐるこの匂いだ。
父さんは居ないから、起きたらご飯が出来てるはずがない。
考えられるのは一つだけだ。
恐る恐る机の上を見てみる
匂いを裏切らない美味しそうな朝食が用意されている。
こんがり焼けてバターの溶けているトースト、トロ~リ半熟の目玉焼き…
そんな事を考えていると
「おはよう」
挨拶された。
ペコリと軽く会釈をして聞いてみた
「このご飯作ったんですか??」
困ったような顔をして言ってきた
「ごめん。勝手にキッチン入った。あった物で作ったんだけど、泊めてもらったお礼にと思って」
そう言われたが
別にキッチンに入られて料理してもらうくらいなんてない。冷蔵庫も中も父が買ってきたものばかりだ
「大丈夫ですよ。気にしないでください。父が居ないと自分では料理しないのでよかったです」
「なら良かった。」