第10章 8
用意してくれた晩御飯は文句なしにめっちゃ美味しい!
他の家事も地味に手伝ってくれて自分のことが捗った。
正直人殺しさんがいてるの助かりすぎてもうだめかもしれない。
もう辺りは真っ暗になっていた。
また何だかんだで1日が終わる。
人殺しさんの布団とかはもう直してしまったしめんどくさいので忘れていたことにしようと思う。
なんだか訳ありそうだったし…
余計なことは忘れて勉強に手を付ける。
コンコン
部屋をノックする音が聞こえた。
人殺しさんだろう
やっぱり布団だろうか?
返事をして扉を開けるとたばこを吸いたくなったらしい。
この部屋を通さないとベランダまで行けないことから少し申し訳無さそうに感じる。
勉強をしてることだしイチイチめんどくさいので勝手に入って良いことを伝える。
苦いものを口にしたようななんとも言えない困った顔。
また新しい顔だ。
想像よりもコロコロ変わる顔にまた興味を持ってしまった。
本当にこの人は最初に見た人と同じなのかなんて思ってしまう。
「ありがとう。邪魔してごめん」
この人にそう言われると邪魔をされても憎めない気がしてきた。