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殺人鬼との恋

第7章 6





そうは言ってみたものの返事はなかった。

悩んでいるように見えた。
やっぱり早く帰りたいのかもしれない。だけどまた降ってきた雨は風も強く、台風のような雨だった。

実際帰りたくても帰れない状況ということだ。


あっ!と思いついたので言ってみる。

「私と一緒に寝たりするわけじゃないですよ?ちゃんと用意します。」


「…じゃあ、泊まる。この雨じゃ外出れないし、行く宛もないし。」

「ありがとう」



“ありがとう”の言葉になんだかくすぐったくなった。しかし、とっさに言ってしまったので予備の布団がある事ぐらいしか把握して無かった。
家の状況を思い出す。
この家には客間があるが、泊まりに来る人もいないので最近は物置として使われている…

客間は使えない。

寝れそうな部屋… 私の部屋は無し。

父よ部屋は… 流石にだめだろう

…屋根裏部屋… ここ数年使ってない。しかも布団の置いてある客間からは遠い。


後は… やっぱりリビングだろうか?

一番キレイな部屋で布団も持って行きやすい


と言うことで脳内会議の結果リビングに決定した。


  
「部屋リビングでもいいですか?」
聞いたところで他の部屋は寝れそうにも無いが一応聞いておく。

「大丈夫。どこでもいいよ」
なんだか申し訳無さそうな顔をして言った。

こんな人でもこんな顔をするんだなんて思ってしまった。
どんどん人殺しと言う事を忘れてしまいそうになる。



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