第7章 6
「 …ません…」
んー…
「あの… …みません」
起きなきゃ…
「あの すみません」
そう言われて、無意識に言ってしまった。
「おはようございます?」
クスッと笑う声が、上から聞こえてきた。
ボーッとした頭であたりを見渡すと、横には男が立っていた。
さっき聞こえた笑い声が嘘だったかの様な無表情だ。
「お風呂上がりました。ありがとう。」
これで帰ってくれれば…と思い
「この後はどうしますか?」
と聞いた。
「雨も、止んでるしそろそろ帰る。」
そう言われて、窓の外を見てみるともう雨は降っていなかった。
本当だ。と思い
「じゃあ今乾かしてる服が乾いてるか見て…」
そういった瞬間ザァーと音がした。
窓の外を見てみると雨が降っていた。
しかも、さっきまでとは比べ物にならないくらいいっぱい降っていた。
まじかーと思い、男の人の方を見るとポカーンとした顔で立っていた。
その顔を見てしまい、フフッと笑ってしまった。
「じゃあ、今日は泊まっていきますか?」
あの顔を見ると自然にそう言ってしまった。