鏡の国で魔法にかけられて…‧*˚✩︎‧₊˚【ツイステ】
第6章 ジェイド 危険なうつぼの狂愛꙳✧˖°⌖꙳

「ん…」
「お目覚めですか?」
目が覚めた私は、ベッドの上で両足の間にお尻を落としてぺたんと座った状態だった。
「先輩?ここ…どこですか?」
身体は女子に戻り、両手首は縄で縛られ、天蓋へと続くポールに括り付けられている。
着ていた洋服は脱がされていて、代わりに先輩の大きなシャツを羽織っている。
「ここはモストロラウンジのゲストルームですよ。普段は特別なお客様にお泊まりいただくのですが…本日から3日間は僕が借りました。」
「どうして…?なんでこんなこと…」
「3日間触れ合えなかった分、3日間ここで存分に愛し合うというのはいかがでしょうか?」
先輩の黒い笑顔に恐怖心が芽生え、喉がひゅっと鳴る。
両手首をぐりぐりと擦り付け、縄を解こうと試みるが、きつく結ばれた縄は少しも緩まない。
「先輩、私の話を聞いてくれませんか?」
「おやおや。そんなに擦ると手首に傷が残ってしまいますよ。それに僕の拘束は絶対に外れません。何度もその身体に教え込んでいるので、お分かりでしょう?」
聞き分けのない子供を諭すように、耳元で甘く優しく囁かれて、身体がぞくりと震える。
「っ…!こんなの嫌です。これ外してください。私はただ…」
「えぇ。全て分かっています。僕への贈り物を用意してくださっていたのでしょう?」
「え?先輩…気づいて…」
「温かいお心遣いありがとうございます。ですが…莉冬さんは何も分かっていらっしゃらないようです。僕が…僕が一番に望むのはいつだって貴方だけなのですよ?」
「先輩…」
笑みが消え、苦しそうに顔を歪める先輩に胸が締め付けられる。
「誕生日の贈り物の為に3日間も会えないなんて…それなら僕は何も要りません。貴方が欲しいっ…貴方だけでいいっ…」
ぎゅっと痛いぐらいに強く抱きしめられて、先輩の気持ちの深さを思い知る。
「ごめんなさい…私、先輩に喜んでほしかっただけなんです。あのっ…贈り物、オンボロ寮に置いてきちゃったけど…今から取りに行って…っ!」
「いいえ。もう0時を過ぎてしまいました。今日は僕の誕生日です。どんな贈り物よりも貴方をください。」
頬に手を添えられて、ゆっくり正面を向かされる。
「私を…?」
「一年に一度の誕生日、僕の我儘を聞いてくださいませんか?」
左右色の違う瞳に、狙った獲物を前にした猛獣の炎が宿る。
あぁ…もう逃げる事はできない。
