鏡の国で魔法にかけられて…‧*˚✩︎‧₊˚【ツイステ】
第6章 ジェイド 危険なうつぼの狂愛꙳✧˖°⌖꙳
莉冬さん。
貴方の優しい御心遣い、本当に感謝いたします。
ですが…この3日間、僕は本当に寂しかったのですよ?
僕が一番に望んでいるものは何か…しっかり教えて差し上げなければいけませんね。
ー3日目(ジェイド誕生日前日)
時刻は23:47。
「ふぅ…何とか完成した!」
完成した贈り物を包装してリボンを結ぶ。
0時になったら先輩にメッセージを送ろう。
「はぁ…何で怒っちゃったんだろう…。素直に全部話せば良かった…」
昨日の先輩の切なげな顔が頭から離れない。
結局、今日は先輩に会えなかったし、ちゃんと謝らせてほしい。
明日から3日間は週末と祝日で学校も休みだし、久しぶりに先輩とデートしたいなぁ。
うぅ…ジェイド先輩がたまらなく恋しい…。
やっぱりすぐに会いたいっ!
"ジェイド先輩、今から会えますか?"
私は足早にメッセージを送った。
贈り物を手提げ袋に入れて、玄関に向かって歩き出す。
ちゃんと先輩の顔を見て伝えたい。
お誕生日おめでとう。
生まれてきてくれてありがとう…って。
「ふふふ。僕も会いたくて堪らなかったですよ。」
「…!!」
階段を駆け下りたところで、ここにいるはずのない人の姿が目に入り、衝撃と動揺で唖然と立ちすくむ。
「え…先輩…どうして?」
「メッセージをくださったので、すぐに駆けつけました。」
「でも…あの…メッセージを送ってまだ数秒しか…」
なんだろう…このぞくぞく這い上がってくる恐怖心。
先輩の言葉は穏やかなのに、顔も笑顔なのに…なぜか頭に警告音が鳴り響く。
「僕の誕生日を祝ってくださるのではないのですか?」
今の先輩はどこか危うい。
逃げなきゃ…いけない…
「っ…!」
踵を返した瞬間、背中からぎゅっと抱きしめられる。
「莉冬さん?僕から逃げるのですか?酷いです…傷つきます。」
「先輩っ…んっ…!」
ぐっと顎を持ち上げられ、強引に唇を奪われる。
舌が入り込んで何か甘い物が差し入れられた。
なにこれ?飴?
…甘い花の香りが…する…。
カタン…
手の力が抜けて、紙袋が床に落ちる。
私の意識はそこでぷつりと途切れた。
「ふふふ…人生で一番幸せな誕生日になりそうです。」
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