鏡の国で魔法にかけられて…‧*˚✩︎‧₊˚【ツイステ】
第6章 ジェイド 危険なうつぼの狂愛꙳✧˖°⌖꙳

ー図書室。
「えっと…どこかなぁ?」
お目当ての手芸の本を探して、本棚の上段に手を伸ばした瞬間、背中に温もりを感じる。
「何探してんだ?」
「レオナ先輩!」
「手芸の本を…手が届かなくて…」
「お前は相変わらずチビだな。ほらよ。」
レオナ先輩は本を数冊取ると私に渡してくれる。
「ありがとうございます!助かりました。」
「手芸とかやんのか?女々しい草食動物だな。」
「手芸って楽しいですよ。今人形を作ってるんですけど、ハマっちゃいそうです。」
「あぁそうかよ。…ライオンの人形ならもらってやってもいい。」
「ふふっ…考えておきます。…わっ?!」
「手芸好きなんだろ?第二ボタンが取れちまった。」
にやっと笑う先輩は私の頭にベストをポイッと被せる。
「えぇ〜!」
「お前に拒否権はない。」
結局、その日の昼休みは、俺様なレオナ先輩のボタン付をさせられる羽目になってしまった…。
「…お前に海は似合わねぇよ。」
「へっ?急になんですか?」
「はぁ…俺は寝る。膝貸せ。」
「えっ!?って…もう寝ちゃった…。」
先輩と話した事がちょっと気になるけど…きっと深い意味は無いよね。
ボタン付のご褒美にランチを奢ってもらえたし、レオナ先輩って意外に優しいみたい。
それよりバタバタしてたせいで、昼休みもジェイド先輩と会えなかった!
こんなに顔を見れない日は初めてで、なんだか寂しい。
ジェイド先輩と会えないまま、あっという間に午後の授業が終わり、私はエペルの部屋に向かった。
「遠慮しないでいっぱい食べてね。」
エペルが華麗に飾り切りしてくれた林檎に手を伸ばす。
「ありがとう。綺麗すぎて食べるのが勿体ないなぁ…。」
「莉冬サンの為ならまた何個でも剥いてあげるよ。それで、人形作りのアドバイスが欲しいって?」
私が縫いかけの人形を取り出すと、エペルが首を傾けて覗きこむ。
はぁ…エペルは動作一つ一つが小動物みたいで癒されるなぁ。
「そうなんだ。自分でやってみたんだけど、ここの二枚の生地が合わさる部分が綺麗に縫えなくて。エペル、前に林檎のクッションを作ってたでしょ?だから、ちょっと力を借りたくて…」
「ふふっ…僕を頼ってくれて嬉しいな。裁縫は昔ばっちゃに教えられたから得意だよ。ところで…"これ"何を作ってるの?」
「きのこの人形を作ってるんだ。」
「え?なして…きのこ?」
