鏡の国で魔法にかけられて…‧*˚✩︎‧₊˚【ツイステ】
第6章 ジェイド 危険なうつぼの狂愛꙳✧˖°⌖꙳
ーある日の放課後。
「今日から3日間、放課後は先輩と過ごせないです。」
「はい?仰っている意味がよく分からないのですが…」
「ごめんなさいっ!3日間だけ待っててください。」
「っ…!」
私は先輩にそれ以上有無を言わさず、オンボロ寮に向かって走る。
先輩の顔を見ると決意が揺らいでしまうから…。
ーバタン。
「はぁはぁ…。」
自室の扉を閉めた私はそのままベッドに倒れ込んだ。
私だって3日間も先輩と過ごせないのは嫌だ。
今だってもう寂しい…また会いたくなってきた。
今朝まで一緒に過ごした先輩の匂いが残るシーツを、ぎゅっと握りしめる。
ジェイド先輩とは付き合い始めて半年になる。
うつぼの嗅覚は人の約100万倍らしく、入学早々に女子だってバレて…いとも簡単に捕獲された。
「僕の番になっていただけませんか?あぁ、ちなみに返事は"Yes"しか受け付けません。」
なんて脅迫じみた告白を満面の笑みでされて、最初は怖くて必死に逃げまわった。
だって…本当に"や"の付く怖い人みたいなんだもんっ!
ある夜は、オンボロ寮の扉をドンドン叩いて、無理やり押し入るし…借金の取り立てかと思ったよ…。
「番の貴方が誰かに襲われていないか心配で堪らなくて…来てしまいました。」
うん…。一番怖いのはジェイド先輩なんですけどね。
それに私たち付き合ってませんよね?
またある日は、無理やり海に投げ入れられて、泳ぐ練習をさせられたり…拉致されて海に沈められるかと思った。
「莉冬さんは将来、珊瑚の海に嫁ぐのですから、今のうちに泳ぎの練習をしておきましょうね。」
あれ?私たちって付き合ってさえいませんよね?
私が他の生徒と話していると必ず背後から殺気を感じるし…もうあれはプロの目だよね…。
「あぁ。うっかり目だけで彼を殺めてしまうところでした。ふふ。僕は独占欲が強い方でして…番の浮気は絶対に許しませんよ?」
えっと…私たちっていつから付き合ってましたっけ?
そんなハードで刺激的な毎日を過ごしていたら、いつのまにかジェイド先輩が隣にいるのが当たり前になっていて、いないと寂しいと感じるようになっていた。
はっ!まんまと策略にハマってしまった…!
気付いた時すでに遅し…。
"ふふふ。全て僕の計画通りですね。"
にやっと含み笑いをする先輩の顔が浮かびます。