鏡の国で魔法にかけられて…‧*˚✩︎‧₊˚【ツイステ】
第5章 レオナ 獅子様は仔猫を溺愛中꙳✧˖°⌖꙳
んっ…それより頭がむずむずする…。
お尻の付け根もチクチクするし、身体が熱い…。
そんな事を考えていると、何かにゆっくりと下されて、急に視界が明るくなった。
「っ!仔犬!…いや仔猫か…?」
「へっ?」
クルーウェル先生が私の顔を覗きこみ、にやりと意地悪に笑う。
「愛玩は犬だけだが…お前なら可愛がってやってもいいぞ?」
顎を掬いあげられ、色気の孕んだ端正な顔がぐっと近づき、赤く染まった顔を咄嗟に逸らす。
「なっ…何を言って…」
私は先生の部屋にある姿見を見つめて、言葉を失う。
女子に戻ってる…だけじゃない…
「え…?えっ!?耳ー!!!」
私は自分の頭から生えた耳を指で引っ張る。
「尻尾もな?」
「ひゃ…っ!先生っ…ふぁ…そこだめ…!」
先生に尻尾を掴まれると身体の力が抜けるような不思議な感覚になる。
「くっ…良い反応だ。これは飼育意欲をそそられる。それにしてもお前たち、動物の毛を混ぜたな?」
「え?ルチウスの毛しか入れてないです。」
「いや。恐らく他のねこ科の毛が混じっている。はぁ…しかもお前は魔力がないからな…。」
「えっ…先生…私どうなっちゃうんですか?もしかして一生このまま…?」
「くくっ…そんな耳も尻尾も垂れて泣きべそをかくなよ。…このまま首輪を付けて躾たくなるだろう?」
「だっ…だめです…」
先生は私の頭を優しく撫でながら、怖い事をさらっと言うから心臓に悪い。
「授業で作ったような初級の変身薬は、通常1時間で元に戻る…が、お前たちの変身薬は二匹の動物の毛が混じっていて濃度が濃くなってしまった。それに加え、魔力がないお前は魔法を打ち消す抗体もない。よって…」
「よって…!?」
「最低一日はこのままだな。」
「一日…だけ?」
私はほっと胸を撫で下ろす。
「…っ!愛らしいな…」
無意識にぴんと上がった耳とぶんぶんと横に揺れる尻尾を見て、先生が片手で顔を隠しながら困ったように笑う。
「Come!仔猫」
先生は私の腕をぐっと引き、抱き寄せると呪文を唱える。
一瞬周りが眩しく光ったかと思うと、私はオンボロ寮の自室にいた。
「わぁ…!移転魔法ですか?」
「そうだ。今日一日は部屋で大人しくしていろ。濡れたままだと風邪を引くからちゃんとシャワーを浴びろよ?」
「はい。」