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鏡の国で魔法にかけられて…‧*˚✩︎‧₊˚【ツイステ】

第1章 プロローグ꙳✧˖°⌖꙳


「俺はグリム様なんだゾー!大魔法使いなんだゾー!!…んぐっ!」
クルーウェル先生がグリムの口をぐっと塞ぐ。

「えっ?侵入者?違います!私は…えっと…誰かに呼ばれて、鏡に入って目が覚めたら…ここにいたんです!」
「なんですって?鏡があなたをここに導いたとでも言うのですか?」

「鏡?…かどうかは分かりませんが…。そもそもここはどこですか?もしこれが夢じゃないのなら、私を元の場所に帰してください!」
「ここはツイステッドワンダーランド。うむ…では貴方の故郷はどこです?トランプの国?宝石の国?はたまた小人の国?」
「私がいたのは…!えっ?あれっ?…思い出せない!なんで…っ?」

「落ち着け仔犬。鏡を抜けた影響でまだ意識がはっきりしていないのかもしれない。」
焦る私を宥めるようにクルーウェル先生が、背中にそっと大きな手を添えてくれる。

「私がいた場所は…はっきりとは思い出せませんが、魔法のないところでした。だからグリムの魔法を見た時すごく驚いて…」
「ほぅ。しかし…自分の故郷を思い出せないのなら、帰る方法も探せませんね。いやはや…なんて哀れな…。」
「どうしよう…。そもそもどうして私がここに…」
不安に押し潰されそうになり、涙を必死に堪えながら自分の震える両手をぎゅっと握る。

「はぁ…。貴方はなぜかこの国、そしてこの学園に導かれ、過去の記憶を無くしてしまったわけですね。ですが鏡が間違えるはずはない…。鏡が貴方を新入生と認めたならこの私でも覆せない…。しかし貴方は女性ですし…魔力も持たない。狸のペットまで連れて…うーん。これは…どうするべきか…」
私は学園長がぶつぶつと呟きながら、部屋中歩きまわる姿を固唾を呑んで見つめる。

「はぁ。こうなったらもう仕方ありません!貴方をこの魔法士養成学校"ナイトレイブンカレッジ"の新入生として認めましょう。…私優しいので。」

「え?…でも私は魔法を使えません!」
「俺は魔法が使えるんだゾ!そんな無力のやつより俺を入学させるんだゾ!」
クルーウェル先生の腕からなんとか抜け出したグリムが学園長の前に飛び出す。

「この狸は…貴方のペットですか?」
「いえ。なぜか目が覚めた時に一緒にいて…」
「おい!俺は狸じゃないんだゾー!!」
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