鏡の国で魔法にかけられて…‧*˚✩︎‧₊˚【ツイステ】
第3章 リドル 愛の首輪で乱されて꙳✧˖°⌖꙳
「甘い!一人を許してしまうと寮内の規律が乱れてしまうからね…。例外は認めない。
オフ・ウィズ・ユアヘッド!!(首をはねろ)」
首輪をかけられてしまったデュースは寮内の掃除を言い渡され、リドル先輩は私をまじまじと見ると得意げに微笑む。
「君は僕と一緒においで。このリドル・ローズハート自らハートの女王の功績を交えながら、ハーツラビュル寮を案内してあげよう!」
リドル先輩は私の腕をぐいっと掴み廊下に出ると、壁にずらっと並ぶ絵画について話し始める。
「これはハートの女王が"なんでもない日のパーティー"を…って聞いているのかい!?」
「あれ?ハリネズミがいる。」
私は廊下で丸まっていた愛らしいハリネズミを見つけて駆け寄る。
「トランプ!また脱走したのかい!?悪い子だね?」
「リドル先輩?…この子先輩のペットなんですか?」
「…あぁ。あの手この手でよく部屋から脱走するんだ。全く…ずる賢いハリネズミだよ」
「ふふ。可愛いなぁ。トランプは先輩に少し似てますね?」
「えっ?どこがだい!?」
「愛らしいところとか、賢いところとか…。」
「っ!…君は僕が怖くないのかい?」
「え?どうしてですか?」
「僕は厳しいからね。寮生からも恐れられているのは分かっている。だからと言ってやり方を変えるつもりはないけれど…」
「他人に厳しい人は自分にはもっと厳しくしなきゃいけませんよね。僕はそんな先輩をすごいと思います。」
「君は…っ!いや…ありがとう…。」
リドル先輩は少しはにかみながら、トランプを優しく撫でる。
「だけど…たまには頑張っている自分にもご褒美をあげてくださいね?」
「ご褒美か…。甘い苺のタルトが食べたい…」
先輩は瞳に暗い影を宿して俯く。
「先輩っ!」
「え?…んっ!?」
その表情がなぜかとても悲しそうで、私は咄嗟にポケットの中に入っていた苺キャラメルを先輩の口に入れる。
「ふふ。頑張ってる先輩にご褒美ですっ!」
「っ!…甘い…。」
先輩は嬉しそうに顔をほころばせる。
そんな先輩の無邪気な笑顔に私の胸はドキドキと高鳴った。
ー数日後。
「莉冬!何をしているんだい?」
図書館で勉強していた私の肩にリドル先輩が優しく手を置く。
「リドル先輩!魔法薬学の勉強をしているのですが…配合の計算が難しくて」