第6章 お屋敷での生活
「そうだ、実弥さん。二日後で斉藤さんは終わりですよね。その後は斉藤さんはお休みとか貰えるんですか?」
「そうだな、斉藤はお前のせいで連勤だったからなァ」
「すみません。でも、三日後は斉藤さん、お休み貰えますよね?」
「あぁ」
「やった!斉藤さん!三日後はお休みですよ。じゃあ、後は華子さんに言って…」
ブツブツと独り言を言い始める。
「お前、何考えてるんだよ」
「だめです!斉藤さんには色々とお世話になったんですから、お礼をしないと!さぁ、頑張りますよぉ」
「斉藤、あいつは何考えてるんだァ?」
「不死川様、私にも分かりません。とりあえず、連れて行きます。では失礼致します」
斉藤さんに引っ張られながら、台所に連れて行かれる。まだ頭の中は色々と思案中だ。
「おい、ノブ。お前、何考えてるんだ?」
斉藤さんが私の肩を掴み睨む。
「ふふふ。斉藤さんへのお礼です。うまく行けばいいんですけどねぇ」
満面の笑顔で答える。
「その顔、怖いぞ」
「えー!めっちゃ笑顔なのに、怖くないですよ」
「いや。その笑顔の裏で何か考えているだろ」
「はい。斉藤さんへのお礼を!」
「そんなもん、いらん」
「まあまあ。うまくいけば、です。期待しないで下さいね。さあ、片付けしちゃいましょ」
不満げな斉藤さんを連れて、やり残したところや夕食の準備をする。そうこうしているうちに、斉藤さんの帰る時間だ。
「じゃ、不死川様に挨拶して帰るな。あと二日間は試験みたいなもんだからな。精々がんばれよ」
「そうなんですか?何とか合格点貰えるようにがんばります。今日も一日ありがとうございました」
斉藤さんが帰ると、夕食の準備だ。今日も実弥さんは鬼狩りに出るのだろう。粗方終わった所で、実弥さんの部屋に向かう。
「実弥さん、夕食はどうしましょうか。もうお持ちしていいですか?」
「ああ。頼む」
襖は閉まったままだが返事が聞こえる。
「じゃあ、準備してきますね」
急いで台所に戻り、夕食を準備する。お盆に乗せたらまた実弥さんの部屋に向かう。