• テキストサイズ

【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第6章 お屋敷での生活


道場の掃除をしている斉藤さんの所へ行くと、呆れ顔で迎えられた。

「やっぱすごいわ。あの会話の後に、傷の手当てって…しかも無理矢理だったし。ある意味尊敬するわ、怖いもの知らずめ」

「そうですか?でも今日初めて実弥さんがありがとうって言ってくれたんです。私とっても嬉しくって!」

「不死川様が?!やっぱノブ、お前すげぇわ。何か次元が違う…」

「さぁ、掃除終わらせちゃいましょう!」

斉藤さんから指摘はあるが、だいぶ少なくなってきた。黙々とできる時間も増えてきた。

あとは片付けだけ、という所で実弥さんが顔を出した。

「おいノブ、行ってくる。ちゃんと言ったからなァ」

道具は置き、斉藤さんと二人で実弥さんの近くまで行く。

「いってらっしゃいませ」

「いってらっしゃいませ。実弥さん、お帰りお待ちしています。お気を付けて下さいね」

実弥さんは玄関の方へ歩き出す。背中を向けたまま、手を肩の辺りまで挙げる。返事の代わりだろう。
今日は昨日と雰囲気が違っていた。指令の場所まで遠いからだろうか。お陰で普段通りに声を掛けれただろう。あとは無事帰ってきてくれることを祈るだけだ。

「さぁ、俺らは続きだな」

「はい」

実弥さんがいなくても、やることは変わらないのだ。実際、やることも多い。すぐに斉藤さんが帰る時間になった。

「俺はそろそろ帰る。じゃあな」

「今日も一日ありがとうございました!」

斉藤さんが帰れば一人だ。まずは藤の花のお香を焚く。それから自分のペースで過ごすと、あっという間に寝る時間だ。夜空に向かって祈りを捧げる。

『実弥さんが無事帰ってきますように』

怪我はして欲しくない。鬼は倒して欲しい。でも、上弦の鬼には会って欲しくない。早く帰って来て欲しい…

願いは尽きない。でも、一番の願いは無事ここに帰ってきてくれること。何度も何度も祈り続ける。
布団に入ってからも、祈り続ける。眠りにつくまで…。

/ 520ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp