• テキストサイズ

【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第6章 お屋敷での生活


ほのかに甘い匂いが漂ってきたら、もうすぐだ。だが店先には赤い暖簾がかかっていない。

「あれー、もしかしてまだ開いてないんですかね?」

「いつも昼からだったからなぁ」

「甘い匂いはするからお店は開きますよ。とりあえず行ってみましょう」

店の前に着いたが、やはり暖簾はない。店の扉を確認すれば開く。顔を少し入れ、声をかける。

「すみませーん」

「おい、何してるんだ、ノブ」

「いや、聞いてみようと思って…」

店の中からバタバタと出てくる音がする。

「はぁーい。お待たせして、すみません。どちら様…あらノブちゃんと斉藤さん。今日はお早いんですね」

「すみません、華子さん。お忙しいのに声をかけてしまって」

「大丈夫よ!もう開ける所だったから。今日もおはぎかしら」

「はい。また三つ頂けますか?急ぎではないので、お店の準備ができてからで大丈夫ですよ」

「じゃあ、店の中で待っててもらえる。先に開店準備を終わらせるわ」

「はい。ゆっくり待たせて頂きます」

言われた通り、店の中の椅子で待つ。華子さんはよく働くし、手際がよい。それをぼーっと眺める斉藤さんからを見るのが楽しかった。

「お客さんかい?」

中年の男性がおはぎやお饅頭を持って裏から出てきた。

「お店が開いてないうちから押し掛けてすみません。早くおはぎが食べたくってきてしまいました。華子さんに無理言ってここで待たせていただいています」

「いやいや、大丈夫だよ。それよりうちの甘味を食べたい一心で、こんなに早くから来てくれるなんて、こっちとしても嬉しい限りだよ。おはぎが好きなのかい?」

おじさんは持っていた甘味を置きながら、話しかけてくる。

「はい。とっても!」

「そうかい。そりゃ良かった」

/ 520ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp