第6章 お屋敷での生活
結局、道順の紙を確認しないで行くものだから、間違えまくり、お店についた時にはいつもの倍以上の時間がかかっていた。
「ノブ、なぜ紙を確認しない?」
「確認してるじゃないですか?」
「確認してない箇所は全てを間違えていたぞ!反対に確認していた箇所は間違えていない。どういうことか、分かるか?」
「確認しながら来れば、間違わずに来れる。と言うことでしょうか?」
「分かってるなら、なんでしないんだっ?」
流石の斉藤さんがキレ気味に言う。今にも頭を叩かれそうだ。
「気をつけてはいるんですけどねぇ…痛っ!」
呑気な返事に我慢しきれなかった斉藤さんから、頭を叩かれる。
「明日は何も言わんぞ!」
「すみません。明日こそがんばります!でも、その前に帰りはがんばりますから、機嫌直してください~。華子さんの甘味屋さん、連れてってあげますから~」
「なんだ、それは…」
華子さんの名前が出た所で、急に勢いが落ち着いた。華子さん様々だ。
「じゃあ、行きましょう。ね、斉藤さん」
「ニヤニヤするな!」
ニヤニヤしていたらしい。さぁ今日も斉藤さんのために華子さんと仲良くならなければ、と気合いを入れ、甘味屋に向かう。