第6章 お屋敷での生活
外が明るくなり、目が覚めた。実弥さんが帰ってくるまで布団の中で起きていようと思っていたけど、流石に疲れていたようだ。寝てしまっていた。
もう帰ってきているだろうが、隣の部屋から音は聞こえない。寝ているのだろう。実弥さんはおはぎは食べてくれたかな。表情を柔らかくして食べている姿を思い浮かべると、私の顔も緩む。
さぁ、今日も斉藤さんの厳しい指導が待っている。少しは成長しないと!
「よぉーし、今日も一日がんばるぞ~!」
体を起こしぐっと伸びる。着替えをし、台所に行く。昨日実弥さんの部屋に置いたおはぎのお皿と湯呑みが洗って片付けられているのに気付く。
「良かった。食べてくれたんだ。さてと、やっぱりまだ火をつけるのはできないかなぁ。火は斉藤さんが来てからにして、他を準備しとこうな。野菜を切ってたらいいかなぁ。それとも、先にお米かなぁ」
「お前は静かに動けないのかァ?」
突然後ろから声がかけられる。もう寝ていたと思っていた実弥さんだった。
「へっ?実弥さ…あっ。えっと、し、不死川様。おはようございます。すみません。煩かったですか?」
「不死川様ァだァ?」
「はい。柱のお屋敷に居候させてもらってるんだから、実弥さんでは失礼だと。不死川様って言うように、斉藤さんに言われまして」
「ハァーッ。お前はそう呼びたいのか?」
「いいえ。実弥さんって呼びたいです!」
「お前は鬼殺隊の隊員じゃねェから、好きに呼べばいい。それに、お前が失礼なのはもう最初からだしなァ。今更様付けされても、気持ち悪いだけだァ」
「本当ですか!ありがとうございます!!やっぱり優しいです~実弥さん」
「だから、何なんだァ、お前は。俺は優しくなんかねェ」
腕組みをしながら眉間に皺を寄せて、実弥さんが言う。