第6章 お屋敷での生活
【実弥side】
「不死川さん、あのお嬢さんですよね、ノブさん。少し変わった方でしたね」
「少しどころじゃねェよ」
「だけどよぉ、不死川。お前の世話ってことは、お館さま公認の嫁候補かぁ?派手だなぁ」
「違うって言ってるだろォ、宇髄!ただの居候だァ」
「隠に色々と習わせているのだろう?嫁ではないか!では、嫁でないとするなら何なのだ、不死川!」
「だから、ただの居候だァ!何度も言わせんなァッ!勘違いするなァッッ、煉獄!」
『声を荒げる不死川さんもカッコいいわね』
「おい、不死川。お館さまがその女にお前の世話をさせると言ってるんだ。なら、嫁で良かろう。なぜお館さまの言葉を否定する」
「伊黒ォ、お館さまが何と言おうと、こればかりは承知できねェ!」
何なんだ、こいつら。全く俺の話が通じねェ。
「それにしても、なぜノブさんを居候させることになったんですか」
胡蝶が口を開く。
「昨日鬼狩りが終わって帰ってきたら、あいつが屋敷の前で倒れてやがった。一晩泊めてやったんだが、記憶を失っててな。それでお館さまから、俺の屋敷で預かるように言われてなぁ」
「まぁ、記憶を…お気の毒に。でも会って半日のご関係には見えませんでしたよ、不死川さん」
「おい、胡蝶ッ!」
「それに、こんなに人相も口も悪い不死川さんを、ノブさんはかわいいとおっしゃってましたよ。私は到底思えませんけどね」
「ハァッッ?!!」
「じゃ、不死川だけが派手に嫌がってるだけじゃないのか?お前、そういうとこ地味だよなぁ」
「なんと!女は記憶をなくしているのか!それならば、大事に扱ってやらねばいかん!」
「あぁ、記憶をなくしているのか。かわいそうな娘だ…南無…」
「お前をかわいいという女の気がしれない。大方、そいつは目が悪いか、頭がおかしいかだろう。お館さまが認めているんだ。さっさと認めろ。何度も言わせるな」
「お前らァッ!言いたい放題言いやがってェ!」