• テキストサイズ

【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第21章 秋祭りを歩く


【実弥side】


「…お前なァ、そんなこと簡単に言うなァ。本当に喰うぞォ」

「まあ、実弥さんなら、喰われても大丈夫ですよ」

ケラケラと笑いながら言う姿と言葉の解離に、俺の中の雄の感情が昂らされ、惑わされる。

「んなこと、笑いながら言うことじゃねぇよッ!クソッ!取りあえず、蕎麦屋に行くぞォ。蕎麦屋だァ、お前も探せェ!」

何とか感情を抑え込み歩き始める。

「はぁーい」

何とも言えない間延びした返事をしながら、迷いもなく俺の横に来て歩く。
そんなノブを横目に見れば、俺を見上げるノブと目が合う。
ヘラリと笑うノブの頬はまだ血色が良い。

「美味しい蕎麦屋さん、あったらいいですね」

こっちの気持ちなんて何にも考えてないだろう。
無意識に言葉を紡ぎ出して動く口元を見る。
あの口が俺のモノを咥えて…。
その瞬間、一気に下半身に熱が集中し、硬さを持ち始める。

何を考えてんだァ、俺はァ。からかうだけだっただろうがァ。

「チッ」

「ん?どうかしましたか?」

俺の顔を覗き込むノブは、いつもと変わらない。ただ、少しだけ血色がいいだけだ。
だけど、その血色がいい顔が目に入る度に、無意識に口元に目がいき、その度に下半身が疼き出す。

結局自分で自分の首を締めたようなもんだ。

「ハァッ。何でもねぇよ」

一つ大きく息を吐き、前を向く。
横にいるノブの存在を認識しながら、蕎麦屋を探す。

ノブの顔がいつものように戻るまでは、極力前を向く。
そして、気を紛らわすために、店を探したのだった。


/ 520ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp