第6章 お屋敷での生活
昼食は朝の残りだ。
「斉藤さんの作ったご飯、本当おいしいですね!」
「そうだろう。俺は料理が得意だ!それだけじゃない。掃除も得意だ」
斉藤さんが得意気に言う。
何とも羨ましい…
「斉藤さんが女性だったら、本当いいお嫁さんになりますねぇ」
「そうだな。間違いなくノブよりいい嫁になる自信はある…って、何言わせてんだーッ!」
「斉藤さん、意外と面白いですね」
「お前の馬鹿さがうつったかもしれないなぁ」
私のせいですか?いやいや、違うでしょ。
「違うと思いますけどッ。でも、私も楽しいのは大好きです。楽しく行きましょう」
「そうだな」
そんな話をしながら、片付けまで終わらせる。
「そういえば、実弥…不死川様って柱合会議って言ってましたが、帰りは遅くなるんですかね?」
「そうだろうな。特に今日は那田蜘蛛山の件で緊急裁判もあるみたいだからなぁ」
「那田蜘蛛山ッッ?!」
「そう。どうも鬼を連れた隊士がいたようでな。そいつの裁判があるそうだ。まぁ、裁判といっても、鬼を連れてる時点でダメだろうな」
「…鬼を連れた隊士…そうなんですね」
那田蜘蛛山だ。
昨日、しのぶさんと義勇さんが呼び出されていたのは、那田蜘蛛山の件だったんだ。
お館さまとの話の中で炭次郎という名前が出てきた時点で、気付かないといけなかった。
もう物語は動いている。
かといって、私にできることはない。
「まぁ、そんなにノブが考え込んでも、どうにかなるもんじゃないからな。気にすんな。俺の友達がその隊士を裁判に連れてってるから、明日にはどうなったか教えてやるよ」
「よろしくお願いします」