第6章 お屋敷での生活
実弥さんが見えなくなると、斉藤さんが突然声を荒げたまくしたてる。
「おいっ。不死川様に何て口の聞き方をしてるんだ!あの方は柱だぞ!鬼殺隊最高の方なんだぞ。それなのに、お前は不死川様とも言ってないしッ!ただの居候なんだろ?居候させてもらっている相手に、何だってあんな口の聞き方ができるんだ!ってか、何で不死川様にあんな軽口が叩けるんだ?あんまり言ってると、いつか殺されるぞッ!!」
「一気に喋りましたねぇ。でも殺されることはないと思いますよ。実弥さん、優しいから」
斉藤さんは私と実弥さんの会話に度肝を抜かれたようだ。
「いや、優しくはないだろ。怖えーよ、柱。その柱の中でも一番怖いよ、不死川様は…。ってかさっき、ちょっと笑ってなかったか?」
「そうですね~ちょっとだけ口角上がってましたね。あのしかめっ面からの、ちょっとだけ口角が上がる時が本当かわいらしいんですよ」
「不死川様をかわいいって。お前の頭の中はどうなってんだ」
斉藤さんは得体の知れないものでも見ているかのような顔をしている。
「うーん。至って正常ですが」
「…じゃ、馬鹿だな」
「ひどいです、斉藤さんッ」
「とりあえず居候させてもらってんなら、不死川様とぐらい言えよ!お前の軽口と頭の中は俺にはどうしようもできない」
「えぇ~!実弥さんじゃダメなんですかぁ?」
「ダメだ!絶対にダメだ!!柱だぞ。お前がそんな口の聞き方してたら、俺が何て言われるか。絶対に変えろッ!お前のせいで、俺はいくつ心臓があっても足りない。どんどん寿命が縮まってるッッ!」
「…はい。すみません」
すごい勢いで言われた。自分の保身のためだけど。
でも、それだけ柱って怖いのね。
「とりあえず、分かったな!んじゃ、今から昼飯だな。俺らだけだから簡単な物にして、昼からは買い物に行っとくか」
「はい」
せっかく実弥さんって、呼べてたのに…残念だなぁ。