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【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第19章 恋柱と蛇柱


【実弥side】



驚いた様子で、喋りながら、バタバタと駆け寄ってくる。
その姿を見て、帰ってきたなと実感する。

…消えたかと思った。

ふいに出た言葉に、ノブは猛抗議だった。俺自身が、ノブに言った事を否定してるようなものだからなァ。

「…そうだったなァ。屋敷に戻ったらあまりにも静か過ぎて、流石に驚いてなァ。お前がどれだけいつも煩いか、よーく分かったんだけどなァ」

本人は煩いのか?と聞く辺り、全く自覚がないようだ。独り言が多いのは自覚してるようだが…
ノブは本当に煩い。今回屋敷に帰ってきて実感した。帰った時の屋敷の静けさといったら、本当に消えたのかと思う程だった。

煩いと言われるのは納得はしてない様子だったが、俺が何度も言うからか、最終的には納得したようだ。

「まぁいいです。実弥さんも一人で寂しくて暗い家より、賑やかな方がいいんじゃないですか?私がいたら毎日賑やかでしょ」

そんな風に考えを変えるのかと、少しだけ驚いた。
すぐに話題が変わったから、気付かれることはなかったが。

その後はいつもと変わらないやり取りをして、部屋に戻る。帰ったままで、何もしてなかった。取りあえず着替えて、台所に向かう。

「あ、実弥さん。おはぎは好きなだけどうぞ。お抹茶も今から淹れますから」

机にはおはぎが準備されており、椅子に座れば湯も今沸いたようで、抹茶もすぐに出される。
それに平行して、飯の準備もしているようだ。おはぎをつまみながら、食事の準備をするノブの後ろ姿を眺める。
思ったより段取りよく進めていく姿は、意外と見ていて飽きない。そしてやっぱり煩い。ブツブツと呟きながら、平行している作業がある分、右に左にと動き回る。

本当、煩いなァ。
だけど、ノブがいない屋敷は寒々としていて、いつも感じる以上に広く感じた。
部屋にいても落ち着かなかった。自分の屋敷の、自分の部屋だと言うのに、だ。
いつの間にかノブのいる賑やかな生活に慣れてしまっていたのだな、と改めて実感する。


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