第6章 お屋敷での生活
お屋敷に戻ってから、実弥さんとここでの生活について話す。
「とりあえず、お前が生活に慣れるまで、日中は隠にきてもらうことにしたからな」
「隠ですか?」
「そうだ。俺は鬼殺隊に所属していて、鬼狩りをしている。政府非公式だから知らないだろうけどなァ。だからほぼ毎日、俺は見回りや鬼狩りで忙しい。俺には一つ一つ教えるような暇はねぇ。鬼殺隊には隠という奴らがいるんだが、その隠にここで生活する上で必要なことを教えてもらうようにした」
「はい」
「隠がくるのは明日から二週間だァ。それまでに覚えろよォ。俺は屋敷に人が出入りするのはあまり好きじゃねェ。お前が早く覚えれば一日、二日でもさっさと短くするからなァ。分かったかァ!」
「は…はい…」
二週間かぁ…いや、それより短い期間で覚えろと言われている…
覚えられるか不安だ。
でもがんばらなきゃ。実弥さんの屋敷に置いてもらえるんだから。
隠の人から教えてもらえるなら、実弥さんの手を煩わせないで済む。
「それと、今日からはこっちの部屋を使え。もう客じゃねぇからなァ。俺の部屋は隣だ。襖が開いていたら掃除でなら入って構わない。襖がしまっている時は必ず声をかけろ。勝手に部屋に入るんじゃないぞォ。分かったかァ」
「はいッ!ありがとうございます!」
新しい部屋は実弥さんと朝ごはんを食べた部屋。
もう客としてでなく、今日からは同居人、いや居候だ。嬉しさと不安が胸に込み上げる。
早く実弥さんのために役にたてるようにがんばろう、そう決意した。