• テキストサイズ

【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第19章 恋柱と蛇柱


「おいッ!ノブッ!聞いてるのかッ!」

突然の怒鳴り声でふと我に返る。
周りを見渡せば、目の前には実弥さんが怪訝そうな顔で見ていた。

私は夕食中だったにも関わらず、どうも意識が飛んでいたようだ。

「大丈夫かァ」

「大丈夫です。ちょっとぼーっとしてました」

思考を停止させた影響か、あまり考えないようにと、考えた結果、思考どころか体の機能まで止まっていたようだ。
そこは敢えて言わないが。

「ぼんやりしてるのはいつもだろうがァ」

実弥さんを見れば、いつの間にかニヤニヤとしながらこっちを見ていた。

「そうですね…って、いつもはそんなにぼんやりしてませんって!」

からかわれているのが分かったので、ノリツッコミを入れてみる。

「いつも通りだなァ」

実弥さんの表情が柔らかいものに、変わる。
私のことを思って言ってくれていたのだと、理解する。

「…すみません。心配おかけしました」

「そんなにボケッとしてたら、明日からどうすんだァ」

眉間に皺を寄せて言う姿は、どう見ても心配させているとしか思えない。
自分のことで時間を割いてしまった。何をやっているんだろう。

「はい。大丈夫です。本当にごめんなさい」

「…そんなに一人は、心配かァ」

箸を置き、頬杖をつきながら、聞かれる。

「うーん。それも心配と言えば心配なんですけど。まぁ、夜は今までと同じですし。元々、私はこの世界ではずっと一人ですし、そこは大丈夫です」

「じゃあ、何が心配なんだァ」

訝しげな表情で尋ねられる。

「……実弥さんが、怪我しないか…です」

しどろもどろで答える
目を丸くして

「ハァ?」

「毎日帰ってくるんだったら、朝にでも手当てできるんですけど。いや、そもそも実弥さん、強そうだから、怪我しないでしょうし。したとしても、誰か専門的に手当てしてくれる人もいるんでしょうから、大丈夫なんでしょうけど」


/ 520ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp