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【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第18章 休日と音柱 *


「また、それですか!もう!気にしなくていいんです。私がしたくてしたことなんですから。ほら、顔を上げてください」

そう言い実弥さんの肩の辺りに手を伸ばし、体を起こす。やっぱり気まずいのか、視線は反らしている。

「昨日のことは、双方同意の上でしょ?まぁ実弥さんは酔ってたとか、雰囲気に流されたとか、あるかもしれませんけど。私はこんな関係もいいと思ってますよ。実弥さんのこと、大好きですし、実弥さんのお役に立ててるんですから。私も嬉しいし。ほら、もう気にしないの。また一緒に寝るぞ~位、言っていいんです」

「それは、流石にダメだろう」

「二人とも大人ですし。合意の上ならいいんじゃないんですか?居候のままですし。誰かに迷惑かけてる訳でもないし。本当の事を言うと、昨日私、すごく安心して寝れたんですよ。実弥さんのおかげです。だから、私から実弥さんにお願いするかもしれませんよ」

「だが、こんな関係…」

「こんな関係、誰にも言わないでしょ?二人だけの秘密にしとけば問題ないかと。まぁ、他の皆さんは嫁だと思ってますし。
ほら、グダグダ言わない!済んでしまったことは、もう考えなくていいんです。ほら、さっき一緒に笑ったでしょ。
私はそういう実弥さんの優しい所が好きですけど、今回はもう気にしない。
さぁ、着替えてご飯食べましょ。実弥さんはその後稽古。そしたら、昨日の事なんてすぐに考えなくて済みますよ」

そうは言うものの、やっぱり顔は何だか晴れない。そんなに気にしなくていいのに。やっぱり優しいのだ。

「それでも、何だか悪いと思ってるのなら、今日は一緒にご飯作ってください。それで昨日のことはなかったこと、ではないけど、もう考えないことにしましょ。それとも、お詫びで口づけでもして貰いましょうか?」

「ふっ。お前と言う奴は…。やっぱり馬鹿だろう」

「馬鹿で結構。考えすぎると動けなくなりますから」

「お前に言われるとはなァ。まぁいい。飯にしよう」

少しだけ呆れたようで、それでいて何の含みもなく笑いながら、実弥さんは私の頭をポンポンと二度程優しく叩き、立ち上がる。
さっさと部屋から出ていく実弥さんを顔を真っ赤にしながら見送った。

「やっぱり天然たらしだ…」

姿が見えなくなって呟いた言葉は、誰に聞かれるでもなく、畳に落ちていった。


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