第5章 蟲柱と水柱
「そうですかねぇ」
「はい。昨日一晩過ごしただけなんですよね、不死川さんとは?」
「実弥さんにお会いして、半日位でしょうか。あの~、私が自分で言いましたけど、一晩過ごしたって言わないで下さい~。改めて言われると恥ずかしいです…」
「ふふふ。でも、たった半日なんですね!あの不死川さんを怖がるどころか、振り回す位ですし。慌てる不死川さんなんて、めったに見れませんから。珍しいものを見れて、楽しかったですよ、ノブさん」
「実弥さんは怖い顔して口調もきついから、怖がられてるんでしょうねぇ。私も色々やらかすものだから、何度も怒鳴られてますけどね。でも、本当は優しい人ですよ。みなさん、気付かないだけで…」
「あらあら、長年連れ添ったような言い方ですねぇ」
「あぁ、また。そんな風に捉えないで下さ~いッ」
しのぶさんは鋭い。ちょっと色々と話すと墓穴を掘ってしまうかもしれない…。