第18章 休日と音柱 *
両手にビクビクとするのを感じながら、全て吐き出されるまで、口をゆっくりと上下に動かす。
「…ハァ…ハァ…」
そろそろ大丈夫かな。先程より柔らかくなったモノからの排出は終わったようだ。
全て絞り出すかのように、最後に先端部分を少しだけ強く吸い上げれば、無防備だった実弥さんの体は今日一番の勢いでビクリと揺れる。
それを見て、ゆっくりと口を外す。口内は最初と変わらない位の量なんじゃないだろうか。
「…ハァ………ハァ……」
少しずつ息を整えている実弥さんに襖の方を指差し、出ていくことを伝える。
「早く出してこい」
通じたようだ。にこりと笑ってから、立ち上がり部屋を後にする。
洗面所へ行き、口の中の液体を吐き出す。白くドロリとしたものが水と共に流れていく。口を濯ぎながら、先程の実弥さんの顔を思い出す。
普段は絶対に見ることのない姿、表情だ。自分だけという優越感が、全身を熱くし、胸が締め付けられる。自分の手でそうしたという事実も、更に自分を高揚させる。
サド気質はないが、自分の手で実弥さんがあんなに厭らしくなるという事実が、何度も自分自身も疼かせた。
ヤバいなぁ。
実弥さんだけ、気持ち良くなってもらえればいいのに、自分も気持ちよくなりたいと体が欲する。あんな姿を見れば欲情するのは仕方ない。本能のようなものだ。
取りあえず今日はこのまま起きていよう。仕事をすればすぐにこの熱もひく。
そう思いながら、部屋に戻る。
「ただいま戻りました~」
「自分の部屋だろォ」
布団に肘枕をして横たわっている実弥さんから、突っ込まれる。
「そうでしたね。いや、でも、実弥さんこそ寛いでるじゃないですか」
そう言い実弥さんの横に座る。
「間違いねえなァ。それより、ノブ、大丈夫かァ」
ククッと笑いながら、手が伸び、ゆっくりと頬を撫でられる。
いや、今日こんなのばっかり!嬉しいけど、心臓が持たない。
「全然大丈夫ですよ。好きでしてることですし。気にしないでください」
「そうかァ」
頬を撫でていた実弥さんの手を、ゆっくりと両手で包みながら膝の上に載せる。