第18章 休日と音柱 *
このままでも出そうだな。そう思い、先端部分を舐めながら、ある程度の速さで更に上下に動かす。
「…おいッ。やめろォ。……聞いてるのか…おいッ!ちょっと待て…出るッ!」
出ると言う声が聞こえたときには既に出てしまっていた。先端部分を舐めていた私の顔に直撃した。
「あッ」
そう呟くとすぐに先端部分を咥えれば、ドクドクと脈打ちながら、口の中に精が吐き出されるのが分かる。
咥えたまま、両手はゆっくりと上下させる。時々ビクッとなり、両手にはドクドクとなるのが伝わってくる。
「ハァッ…ハァッ」
息が上がっていて、吐息とともに口から漏れ出る声が、艶やかで、厭らしい。
出し終わったのだろう。腰を引かれ、少し柔らかくなったモノが口からポロンと逃げていく。
「すまねえ、ノブ」
そう言いながら実弥さんの手が頬をひと撫でする。
口の中のものをゴクリと飲み込む。やっぱりこの味は苦手だ。
「大丈夫ですよ。洗えばいいだけですし。前回したときから出してなかったんですか?けっこう濃厚ですし」
そう言いながら顔についた白濁の液体を指差に絡めとり、実弥さんに見せつける。
「ちょっ…おい。また飲んだのかよッ。汚ねえんだから、もう飲むな」
珍しく少しだけ焦った様子で、手を掴まれる。
「汚くはないですよ。ただ苦手ですけど。好みの問題でしょうね。それより実弥さん、出してなかったんですよね?」
「アァッ!何で言わなきゃならねぇ」
「だって、そうだとしたら、嬉しいなぁって」
「はァ?」
腕は掴まれたままだが、指先に絡めた液体を舐める。
「ほら。欲を出すお手伝いなんて、他の人はしてないでしょ?私だけって思ったら嬉しいんですよ。それに前も言ったと思うんですけど、こんな姿の実弥さんが見れるのもこの時だけですし」
「そんな事が嬉しい事かァ?」
腕は解放されたが、実弥さんの顔は信じられないといった表情をしている。
実弥さんと私の価値観は違う。私にとってはこの時間は何事にも替えがたい幸せな時間なのだ。
「はい。私にとっては、ですけどね。取りあえず一回顔洗ってきますね」
少しだけ顔に張りついていたものを洗いに、立ち上がり部屋を出た。