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【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第18章 休日と音柱 *


「啼かせたくなるんだよな。ノブの色んな顔も見たいしな」

そう言いながら、頬から移動した右手は、優しく顎を掴んだかと思うと、そのまま上へと持ち上げられる。
所謂、顎クイってやつだ。

「へっ!?」

思わず変な声が出た。
顎クイに気を取られ、天元さんが近づいてきた事に気づいた時には、鼻と鼻がぶつかりそうになっていて、唇に柔らかいものが触れていた。

「んっ!!」

キスされてる。
そう気づいた時にはもう唇は離れ、目の前でニヤリと悪戯っぽく笑う天元さんがいる。

「何してるんですかッ」

流石に焦って、声が大きくなる。それと同時に顔が熱い。かなり赤くなっているはずだ。

「ん~口づけしたらどんな反応するのか、知りたくて。いいね、その反応。可愛いな」

「何考えてるんですか。顔がいいからって、何しても許される訳じゃないですよ」

一気に顔の熱さが引く。
流石に天元さんへの気持ちが変わってきた。いくらイケメンでも、強引過ぎるし、やっていいことと悪いことがある。
実弥さんとの落差に、頭が冷静になる。

「もう戻った。面白くないな。もう一回するか?」

「しません。何でそんなに私に拘るんですか?」

「嫁に欲しい」

「違うでしょ。お嫁さんはちゃんといらっしゃいますから。だとすれば、私の秘密でしょうか」

実弥さんと張り合ってるようで、小さな子どもの駄々にしか見えない。
カッコいいし、たぶん頭もいいし、強いし、女性だったらほとんどの人が見惚れたのだろう。
私が嫌がるから、どうにかしたいという気持ちもあるかもしれない。

どうしたら、諦めて貰えるのか…
そう考えていると、あることが思い浮かんだ。

「ふっ。やっぱり面白いなあ。半分正解だ。ノブの秘密が気になるし、嫁は無理でも、まぁ連れて帰りたいな。なあ、不死川じゃなくて、本当に俺の屋敷に来ないか。嫁共々歓迎するぜ」

相変わらずの返答にため息が出る。

「宇髄ッ!」

静かだった実弥さんの声が響く。
自分の事のように怒ってくれている実弥さんに、にこりと笑顔を向けて、天元さんへと顔を向ける。



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