• テキストサイズ

【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第17章 休日と音柱


「ふぅ。気持ち良かったぁ」

風呂から上がり、呟いた言葉は湯気と共に消えていく。
普段は時間に追われてバタバタと入っているけど、久しぶりにゆっくりと入れた気がする。

身の回りを整え、お風呂場から出る。明かりはついているからまだいるようだが、声は聞こえない。
もう帰ったのかな、と思いながらも、帰りもゆっくりと、そしてできるだけ音は立てないようにして廊下を進む。

ちょうど突き当たりに差し掛かった所で、声をかけられる。

「おっ。ノブじゃねえか。ん?風呂上がりか?」

取りあえず振り返り、返事をする。

「はい。今上がった所です。すみません。お邪魔しないようにと思ってたんですが」

「気にすんな。それより、俺はお前に興味がある」

そう言うと、目の前に天元さんが迫っていた。
所謂壁ドン状態…
実弥さんのも破壊力抜群だけど、天元さんは更に、だ。湯上がりで火照った顔が熱くなるのがわかる。

「えっと、この状況が全く理解できないんですが…」

「ノブ、お前さ、何か隠してるだろ?」

「…はいっ?」

「不死川を騙している感じはしねぇが、何かちょっと信用ならねえんだよな。何かはわかんねえが、違和感があるというか。とにかく、お前は何者だ?」

先程までの優しげな表情と違い、天元さんの鋭い視線が上から突き刺さる。

「お酒を呑まれてるからそう感じるんじゃないですか?私はただの居候ですよ」

天元さんの鋭い視線の先にある目をしっかり捕らえながら、答えをはぐらかす。

「これくらいじゃ酔わねえよ。正直に言え」

鋭い視線に加え、先程までとは違う殺気のようなものが、天元さんを、纏い始める。
こりゃ、下手にはぐらかさない方が良さそうだ。一度視線を外し、ふうっと息を吐き出す。そしてもう一度、目の前の天元さんの目をしっかりと捉えると、ゆっくりと話し始める。

「天元さんが私の事を疑っていらっしゃるようですので、正直に言いますが、私が隠している事があるのは間違いありません」

天元さんの視線が更に鋭さを増す。だけど、それから逃げる訳にはいかない。私も視線を外すことなく、しっかりと天元さんの目を見て、話を続ける。


/ 520ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp