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【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第15章 岩柱


「私には、狙われる可能性があるという実感は、全くないんですけどね。だけど、少し安心しました」

「何が安心したんだ?理由は聞いた。だが、未だに私は三井、お前を信用していない」

私の話した事に、余計に不信感を持たれたようだ。口調が強くなる。

「それです。信用してもらえないことに安心しました。いや、信用してもらえないので悲しいんですけどね。
それよりも、こんな不審極まりない怪しい奴を、今まで会った人達は、怪しいとは思いつつも優しくしてくれました。あまりにもみなさんが私の事を信用してくれるので、当たり前のような気がしてました。
でも、悲鳴嶼さんに信用しないと言われて、ちゃんと見てくれる人が鬼殺隊にいてくれるんだって、安心したんです。優しいのはいいですけど、そこを漬け込まれちゃダメでしょう。まぁ、皆さん強いから大丈夫なのかもしれませんけど」

悲鳴嶼さんは、私の話の腰を折ることなく、しっかりと私を見据えて聞いてくれた。私の言葉に嘘がないか、真実を話しているのか、見定めるように。
そして、一言、呟いた。

「…そうか」

「だから、悲鳴嶼さんは私の事を信用せずに、見ててください。お願いします。
実弥さんなんて、私、めっちゃ怪しいし、何者かも分からない状況なのに、その日世話してくれたんですよ。そのあとも結局、お館さまに言われたとは言え、居候させてくれてますし。本当、優しいんですよね」

初めて実弥さんに会った時のこと、ここへタイムスリップしてきた時のことを思い出すと、顔が綻ぶ。
怪しい者ではないと自分で言ったけど、めっちゃ怪しい奴でしかない。
そんな事を考えていると、悲鳴嶼さんが先ほどとは違う優しい語り口で尋ねてきた。

「三井は、不死川が怖くはないのか?」



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